人に教える仕事がしたい 子どもの世話が好き

 人にものを教える仕事は、何も学校の教師だけに限りません。
 現代社会は昔に比べて遥かに複雑になっており、知っておくべきことが飛躍的に増えています。保険の入り方やお金の殖やし方、外国人との接し方、詐欺や悪徳商法に騙されないための法律知識、パソコンやインターネットなどなど、日常生活を送るだけでも昔は必要でなかった知識やスキルが求められるようになってきました。
 仕事となるとさらにそうです。各職業は細分化・専門化され、門外漢にはさっぱりわからない世界がいくつも存在します。肉体労働の世界でも、きつい力仕事が減った反面、複雑な機械の操作・保守や事務的な仕事の割合が増えています。
 それは、社会に「教える仕事」がますます求められていることを意味しています。

 しかし、一方で教える能力が正当な評価を受けていないビジネスの現場がいくつも見かけられます。確かに教育担当者は「上から」目線で教えるのでなく他人が学ぶ支援をするという意識をもつべきですが、なかには教える側が教えられる側の理解力に頼りすぎる例がたくさんあります。これは経営トップが教育を重視していないことを物語っています。それでは現場はうまくいかないでしょう。

 私がアメリカでセールス教育に参加したとき、マネージャークラスの講師は営業マン出身ではなく元教師でした。一度彼に「セールスの経験なしに営業教育は難しいのではないか」と尋ねたところ、彼は胸を張って「そんなことはない。わたしは教育のプロなのだから」と答えました。
 確かにある職業のスペシャリストが必ずその道の優れた教育者になれるわけではありません。教育のプロは教育内容に関するスペシャリストであるとともに、人が物事を理解したり記憶したりする仕組み学習へのモチベーションを高めるやり方に関するスペシャリストであるべきでしょう。
 会社や団体組織では、人材教育を現場だけに任せず(現場を無視した教育も意味がありませんが)、全社的に取り組む姿勢が必要です。 

 宮台真司は神成淳司との対談本『計算不可能性を設計する』のなかで、「学習には、理解動機(わかる喜び)も、競争動機(勝つ喜び)もありますが、感染動機(すごい人に連なる喜び)も重要」だと述べています。これは齋藤孝の教育の考え方―憧れの理想像をイメージされ、その理想像に向かって努力するよう導く力―にも結びついています。人に教える仕事に就きたいなら、自ら積極的に 「すごい人」に連なるよう努めていきましょう。




【参考書】

  「齋藤孝の相手を伸ばす!教え力」  齋藤孝 (著)  宝島社 (2004/4/17)
 『声に出して読みたい日本語』で有名な斎藤孝氏は教育学の専門家です。本書は学校現場だけでなく、親として子どもに教えたり上司として部下を指導する立場にある者に求められる能力や意識について解説しています。生徒に頭がいい!とか仕事ができる!という憧れの理想像をイメージさせ、自らその理想像に向かって努力するように導く力こそ「教え力」だとして、その具体的な方法を伝授しています。

 『教育力』(新書) 齋藤孝 (著)  岩波書店 (2007/01)
 本書のテーマは、教育にたずさわる者に求められる力・資質とはどのようなものかということです。
 斉藤氏によると、教育の基本原理は「あこがれにあこがれる関係づくり」です。つまり、英語が話せていろんな国の人たちと会話したい、法律のプロになって困っている人を助けたい、遺伝子の研究をして病気の原因を究明したい、サッカーがうまくなってJリーグで活躍したい、という憧れ(願望)を掻き立てて学習欲や向上心を増進しあう関係づくりです。そのうえで氏は、教育者や教育者を目指す人が「教育は大変だけど、一生を賭けるに値する素晴らしいもの」だと心身から実感して教育への勇気が沸くような本にしたいと述べています。
 教育者を目指す人だけでなく、子どもの教育に責任をもつ親たちや、社会のさまざまな分野で教育・指導にたずさわるすべての人たちに読んで欲しい本です。

 新教育産業 2009年度版 (2009) (最新データで読む産業と会社研究シリーズ 12)』 千葉 誠一  産学社 (2008/02)

 『効果10倍の“教える”技術―授業から企業研修まで』 吉田新一郎 (著)  PHP研究所 (2006/02)

  リクルート進学ネットで教育関係の資格を調べたい方はこちら(→保育・教育の資格)をご覧ください。

日本語教師
 海外や国内の日本語教育機関で外国人に対して日本語や日本の歴史・文化を教える仕事です。日本語検定の取得、できれば教員免許があると有利です。詳しくは『日本語教師になるには』 (2003/07)をお読みください。

 『日本語教師の教室作業―プロ教師を目指すための12章水谷信子(著) アルク(2007/5/26)


ケイコとマナブ.netでもっと詳しく知りたい方はこちら(→ 日本語教師)をご覧ください。



小学校教諭
 公立や私立の小学校で子どもたちを教育・指導する仕事です。図画や家庭科、体育については専任の教諭がいることが多いですが、基本的にすべての学科に精通している必要があります。また、生徒の生活態度についても指導しなくてはなりません。
 小学校教諭になるには、小学校教諭養成課程のある大学を卒業するなどして小学校教諭普通免許状を取得したうえ、採用試験に合格する必要があります。

 詳しくは『小学校教師になるには 』をお読みください。
 
新任教師のしごと―小学校版 新任教師のしごと―小学校版
小学館 2006-02
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 『お笑いの世界に学ぶ教師の話術―子どもとのコミュニケーションの力を10倍高めるために!!』 
                                                  上条晴夫(著) たんぽぽ出版 (2005/03)


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中学校教諭
 公立や私立の中学校に所属して、子どもたちを教育・指導します。単一の専門教科を教えるため、対象科目への深い知識・見識が必要となります。子どもがその教科を好きになるよう、モチベーションを高める手法、齋藤孝氏の言う「あこがれにあこがれる関係づくり」を目指しましょう。
 なかには勉強をする理由について疑問を抱く生徒もいますので、将来どんな場面でその教科の知識が生かせるのか、常に説明できるようにしておく必要があります。また、思春期は精神的に不安定な時期ですので、生徒のメンタルケアにじゅうぶん気をつけなくてはなりません。
 中学校教諭になるには、教員養成課程のある大学や短期大学で中学・高校教諭普通免許状を取得した後、採用試験に合格する必要があります。


  詳しくは『中学校・高校教師になるには』をお読みください。

高校教諭
 公立や私立の高等学校で子どもたちを教育・指導する仕事です。対象科目について深い知識と見識が必要とされます。生徒への進路指導は重要な仕事です。自分の教える教科が将来のどんな仕事に結びつくのか、常に説明できるようにしておきましょう。高校生となると、精神的に大人びた生徒もいれば子どもっぽいままの生徒もいます。個人の性格・資質に応じた対応を心がけましょう。
 高校教諭になるには、教員養成課程のある大学や短期大学で中学・高校教諭普通免許状を取得した後、採用試験に合格する必要があります。



大学講師
 大学で専門科目を教える仕事です。一般的には大学院に入って助手となり、専任・非常勤の講師→助教授→教授へと昇進します。大学生の研究指導をおこなうほか、自分の研究分野を深く追究し、学会に論文を発表し、関係する著書を著します。

盲学校・ろう学校・養護学校の教員 養護教諭 幼稚園の教諭

法務教官
 法務省の傘下にある少年院や少年鑑別所に所属し、非行少年や非行少女が自分の犯した過ちを心から反省して社会適応できるよう、集団活動や面接、相談などを通じて教育・生活指導をおこなう仕事です。
 法務教官になるには国家公務員採用試験のひとつである法務教官採用試験(→法務省矯正局
[受験資格は大学卒業レベル]に合格する必要があります。

【参考書】
 『法務教官の仕事がわかる本』 法学書院編集部 (編集)  法学書院 (2000/04)
 『法務教官問題と対策』 法学書院; 改訂第3版版 (2005/12)


予備校や学習塾の講師・家庭教師
 予備校や学習塾、家庭で、子どもに補習や受験勉強の指導をおこなう仕事です。

 齋藤孝氏は 『教育力』のなかで、「世の中には塾や予備校に対して2次的なもの、営利主義的なもの、というイメージが流布しているが、教育本来の形は学校よりもむしろ塾のほうにある」と述べています。生徒が直接お金を払って学びにくるところでは、教師はその対価に見合うだけの満足を生徒に与えることができているのか、常に自分に厳しい問いかけをしなくてはならない、という意味です。
 予備校・塾講師は生徒が楽しみながら自ら進んで勉強するようモチベーションを高め、質問されたら相手が深く理解するまでとことん教えなくてはなりません。また、生徒から直接評価される立場のため、講義の方法に個性的な工夫を加えることが望まれます。
 講師になるには自分で塾を起業しない限り (→学習塾経営)、予備校や塾に採用される必要があります。家庭教師になるには家庭教師派遣センターに登録するか、自分で町の告知板などに「家庭教師承ります」などとポスターを貼って待機します。

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社会教育主事
 地方自治体の教育委員会に所属し、公立図書館などの社会教育施設が一般市民におこなうさまざまな生涯学習のプログラムについて専門的に指導や助言をおこなう仕事です。社会教育主事になるには社会教育主事の講習を修了し、教育委員会に認定される必要があります。

人材教育
 現代のビジネスシーンではさまざまな知識やスキルが要求されるため、社内教育の重要性が以前に比べて飛躍的にアップしています。具体的な業務については各部署でOJTをおこないますが、それだけでは十分とはいえません。教育部はパソコンや経理、英会話、コンプライアンス(法律遵守)、プレゼンテーション、リーダーシップ、ビジネスマナー、昇進研修などさまざまな教育・研修の計画を立案、実施します。イントラネット上でWEBベース教育をおこなうこともあります。
 教育というと「上からものを教える」というイメージが付きまといますが、企業の教育部門の目的は、従業員が自ら率先して仕事に必要な知識やスキルを身につけようとする意欲を鼓舞すること、動機づけることです。
 小さな会社では人事部総務部が教育を担当します。教育をアウトソーシングする会社も多いため、従業員教育や研修を請け負う会社は数多くあります。

 具体的な教育の仕事は以下のとおりです。

・研修内容の企画、目的にあった講師の選択。講師の選択は、自社の最も成績の良い営業担当であったり、外部の有名人、ビジネス関連学問の教授だったりします。
・講師とともに研修プログラムを作成します。法務や経理、マーケティングといった専門分野をもち、自分で講師をつとめる場合もあります。
・会場や必要な設備のセッティング。
・事務局として研修内容の概要や講師の紹介、スケジュール、食事時間など必要事項を受講者に説明。ビデオやマイク、空調の取り扱い、場合によっては司会進行。
・受講者のアンケートや要望を収集し、次回の研修をより有意義なものにブラッシュアップします。


 【参考書】
 『企業内人材育成入門』 ダイヤモンド社 (2006/10/20)
 『「学び」で組織は成長する』  吉田新一郎 (著) 光文社 (2006/1/17)

セミナー講師
 セミナー講師は、なにも著名な学者や文化人、政治家、ビジネスの成功者だけがなるものではありません。むしろ、離婚を何度も繰り返したり、ビジネスで大きな失敗をしたりといったネガティブな経験をした人の話を聞きたいと思っている人のほうが多いと言われています。自分のこれまでの人生を振り返ってみれば、子育てのエピソードや家事の知恵、職業経験など何かひと様にお役に立てる話があるはずです。
 これをスピーチという商品に練り上げてセミナーで発表するのがセミナー講師の仕事です。セミナー経験を積んでいけば、ジョークやうまい喩えなどの技術も磨けます。まずはボランティアで高名なセミナー講師のアシスタントをつとめるなどして、ノウハウを学びましょう。詳しくは以下の本をお読みください。


 『誰にでもできる「セミナー講師」になって稼ぐ法』 松尾 昭仁 (著)  同文舘出版 (2006/6/23)

フリースクールの主宰・講師

職業訓練指導員
 公共の職業能力開発施設や都道府県の認定を受けた職業訓練施設に所属して、職業訓練をおこないます。職業訓練指導員になるには一般的に、職業訓練指導員試験に合格するか、各都道府県の職業能力開発協会の実施する職業訓練指導講習を受講して確認テストに合格する必要があります。また、職業能力開発大学校で実施される指導員訓練の修了するか、工業・農業・水産・商業・家庭あるいはその実習の高等学校教員免許があれば申請だけで取得できる可能性もあります。

自動車教習所指導員・教習指導員
 自動車教習所に所属し、普通自動車や自動2輪、大型自動車などの学科教習や技能教習、技能検定をおこなう職員です。教習指導員になるには一般的に教習所に就職して講習を受け、指定自動車教習所指導員として都道府県公安委員会の審査に合格する必要があります。
スポーツインストラクター ・マリンスポーツ・インストラクター

パソコン・インストラクター(→パソコンスクール・パソコンサポート
 パソコン教室や企業の社員研修、講習会などでパソコン操作を教える仕事です。
 詳しく知りたい方はこちら(→ OA・パソコンインストラクター)をご覧ください。

 [関連する資格]
 パソコン検定試験(P検)、インストラクターはP検の2級以上は取っておくべきでしょう。
 MOT:マイクロソフト・オフィシャル・トレーナー (→マイクロソフトMOT事務局
 マイクロソフトオフィススペシャリスト

 ・詳しくはケイコとマナブ.netのこちら(→ マイクロソフト オフィス スペシャリスト(旧MOUS試験))をご覧ください。

 商品説明デモンストレーションの仕事もご覧ください。


習いごと(ヨガ太極拳、ピアノやオルガン、バイオリン、お花、料理)の講師

教科書・参考書・教育機材の制作

コンサルタント




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