プロサッカー選手
日本でプロサッカー選手になるには、各地域にあるJリーグのクラブチームと「日本サッカー協会選手契約書」を結ぶ必要があります。契約にはプロA、プロB、プロCの3種類があり、まず最初にプロC契約を結び、試合出場回数をこなしてプロB、プロAへと昇格します(プロA契約選手は1クラブ25人まで)。
日本のサッカーチームはプロ・アマチュアに関係なく5つのカテゴリーに分かれており、出場する大会が決まっています。第1種はJリーグや日本フットボールリーグ(JFL)、全国の大学リーグ、地域リーグに所属する年齢制限のないチームが属しています。第2種は高校のクラブ活動やJリーグのユースチームが属し、全国高校選手権や日本クラブユース選手権(U-18)等に出場します。第3種は中学の部活チームやJリーグクラブのジュニアユースチームが属し、全国中学サッカー代価いや日本クラブユース選手権(U-15)等に出場します。第4種はJリーグクラブのジュニアチームや地域の少年サッカーチームといった小学生以下の子供が属するカテゴリーです。女性のサッカー選手は、これらとはカテゴリーが異なるLリーグのチームに所属する必要があります。
プロサッカー選手になるには、Jリーグチームのジュニアチーム等に所属するしないに関わらず、Jリーグのスカウトに注目されることです。Jリーグチームのジュニアチーム等に入団するにはテストに合格する必要があります。
プロサッカーの選手になれる人は、サッカーを心底愛していて試合も練習も同じように楽んで取り組める人です。休養しているときには自分やプロ選手の試合を映したビデオをじっくり観察し、優れた試合運びやプレイがどうやって生まれるのかを分析し、イメージを頭に叩き込み、瞬時のタイミングに思い通りのプレイができるよう、イメージ通りに身体各部をコントロールする訓練が大切です。パスやシュート、ドリブル、ヘディング、相手を瞬時にかわす、相手のファウルを誘う、といった具体的なプレイも重要ですが、優れたプレイが試合時間中に常に可能となるよう、耐久力を中心とした身体能力の向上も重要です。
優れた指導者や仲間、ライバルに恵まれることも大切です。もし日本にその機会がないと考えるなら、海外にサッカー留学するという道もあります。南米・ヨーロッパといったサッカー先進国でサッカーを学ぶことはサッカー能力を強化できるだけでなく、異文化を体験することでコミュニケーション能力を伸ばし、仮にサッカー選手になれなくてもさまざまな分野で活躍できる可能性を生みます。
サッカー審判員
審判員は試合で反則行為やラインアウト、オフサイドなどの判定をするほか、選手の用具のチェックやリスタートプレイの管理、選手交代の管理、負傷者への対応、試合に対する妨害行為への対応などをします。試合後には審判インスペクターや審判インストラクターらとともに反省点や改良点についてミーティングを開き、試合の報告書を作成します。
サッカー審判員には日本サッカー協会(JFA)が認定する1級〜4級の資格があり、1級審判員の資格を取得した上で実績が認められた場合、さまざまな大会に審判として出場し、安定した収入を得ることもできます。
審判員の適性としては、感情や思い込みに左右されることなく公正に審判できる能力や細かい注意力、集中力、自分の欠点を客観的に省みて審判技能を向上させる精神力、そして選手とともにピッチを駆け回れる体力・持久力が求められます。
プロサッカー選手のエージェント(代理人)
選手がサッカーの試合やトレーニングに集中できるよう、クラブとの契約交渉や売り込みなどの事務的な仕事を代行します。代行する範囲はさまざまで、事務的な雑用からクラブやメディアとの契約交渉、肖像権管理、選手の資産管理までカバーするエージェントもいます。海外のクラブと交渉する代理人の場合には、各国の言葉が話せるだけでなくサッカービジネスの事情や、契約関係の法律についても精通している必要があります。
したがって、サッカーが愛していることはもちろんのこと、スポーツ興行ビジネス全般やファイナンシャル、法律実務、広報、語学など幅広い知識と人脈が必要になってきます。
なお、日本サッカー協会(JFA)公認の代理人になるには、JFAが実施する選手エージェント試験に合格する必要があります。
プロサッカーチームの監督
プロのサッカークラブと年間契約を結び、リーグ戦や試合運びの戦略を立て、チーム強化に向けて選手を指導・育成する現場レベルの総責任者です。
日本でプロサッカーチームの監督になるには、サッカーチームのコーチとしての経験を積み、日本サッカー協会が認定する公認S級コーチの資格を取得する必要があります。
【参考書】
『勝てる監督―サッカーの「監督」とは何か。 』 晋遊舎
(2004/09)
プロサッカーチームのコーチ
プロのサッカークラブと年間契約を結び、監督をサポートしてチーム強化に向けて選手を指導・育成します。Jリーグに属するクラブの多くはユースチームやジュニアチーム、サッカースクールなどの下部組織を抱えているため、それらに属する選手の指導・育成を担当するコーチもいます。
日本サッカー協会には公認D級コーチから始まり、C、B、Aとステップアップして公認S級コーチに至る指導者の認定資格制度がありますが、監督以外は特に資格が不可欠というわけではありません。また、プロ選手の経験のないコーチもいます。
プロサッカーチームのコーチになるには、サッカーの指導経験で実績をあげ、プロサッカーの監督から推薦されるか、クラブの強化スタッフからオファーされる必要があります。
体育大学で体力学や運動生理学を学んだ人もいます。
プロサッカーチームのトレーナー
プロのサッカークラブと年間契約を結び、選手の健康管理や傷病予防、練習時の怪我の応急処置、疲労回復、マッサージ、リハビリトレーニングなどをおこないます。トレーナーになるには大学や専門学校でスポーツ医療を学び、スポーツ現場でトレーナーとしての実績を積むか、ボランティアなどの形で監督やコーチ、クラブの強化スタッフとコネクションをつくることでチャンスを伺います。日本体育協会のアスレチックトレーナー資格や鍼灸マッサージの資格(→鍼灸師)を取得する人も多いです。アスレチックトレーナー資格についてはこちら(→
財団法人 日本体育協会ホームページ
)のスポーツ指導者(資格情報) をご覧ください。
プロサッカークラブのスタッフ
Jリーグのクラブは会社組織なので、一般企業と同じように営業や経理、総務、広報などのスタッフが働いています。
スタッフに採用される方法はさまざまで、親会社やスポンサー企業から移籍あるいは出向する場合もあれば、アルバイトやボランティアスタッフから正社員になる場合もあります。現在のところ公募の例は少なく、欠員が出た際に補充される程度です。
但し、今後はスポーツビジネスを専門的に学んだ人が就職するケースが増えていくと期待されています。日本ではサッカートレーナーやサッカービジネスの専門家を育成する学校として、JAPANサッカーカレッジ(学校法人・国際総合学園が運営)があります。
―営業担当
クラブの運営資金は試合の入場料収入や広告料、協賛金、放送権料、キャラクターグッズ等の商品化権料などから成立しています。営業はチケットや関連グッズの販売戦略の策定や、広告料や協賛金を得るためのスポンサー開拓、企業訪問などをおこないます。
―広報担当
クラブチームの知名度アップのために、報道機関に配布する資料の作成や記者会見、取材のコーディネート、といったメディア対応やファンクラブ会報誌の作成などをおこないます。広報一般の仕事についてはこちらをご覧ください。
―運営担当
ホームタウンでの試合やイベントの際に、警備計画の作成や警備員の配置、警察署・消防署との折衝、駐車場の確保、ボランティアスタッフ・アルバイトスタッフの手配・指導など、スタジアム運営全般の舵取りをおこないます。
―マーチャンダイジング担当
クラブのオフィシャルグッズの企画・商品化・ショップの管理・販売などを手がけます。営業担当が兼任する場合もあります。
―地域担当
クラブの運営にはホームタウンの住民たちの協力が欠かせません。地元の学校や自治体のイベントへの参加、サポーターとの意見交換や交流イベントを企画・運営します。
―強化担当
トレーナーやスポーツ栄養士の選定やスカウティングプランの策定など、監督やコーチと共にチーム強化のための諸施策を立案・推進します。
―マネジャー
プロのサッカー選手は試合や練習に参加するだけでなく、メディアの取材を受けたり、ホームタウンの人たちと交流をおこなったりします。クラブチームに所属するマネジャーは、チームのスケジュール管理や選手のこまごまとした身の回りの世話をします。
―ホペイロ(EQマネジャー、イクイップメント・マネジャー)
ホペイロ(ROPEIRO)とはポルトガル語で用具係を意味します。ユニフォームや練習着を洗濯し、スパイクを磨き、用具が傷んだ場合は補修などを施します。また、選手が気持ちよく試合やトレーニングをおこなえるよう、必要な練習器具やボール、ドリンクなどを準備して環境を整えます。クラブの規模が小さいところでは、マネジャーが兼任します。
サッカーライター・サッカージャーナリスト
国内外の大会やクラブ、選手らを取材し、サッカー関係の記事やコラム、エッセイを書く職業です。
サッカーライターになるには、ほかのスポーツライターと同じく大学のジャーナリスト専攻やジャーナリスト養成学校等で文章の基礎を学び、新聞社やスポーツ新聞社、スポーツ誌等に記者として就職し、取材経験や執筆経験を重ね、人脈を築いてからフリーランスになるのが王道です。
ヨーロッパや南米のサッカー事情にものすごく詳しいとか、ポルトガル語が得意でサッカー関係の翻訳や通訳のバイト経験がある、といった強みがあれば有利ですが、一方で個性的な視点や表現、読者を感動させる文章テクニックを磨かなくてはなりません。(→スポーツライター、→フリーライター)
【参考書】
『サッカーライターになりたい!―サッカーマスコミを目指す人たちへ 』 佐藤
俊 (著) ぴあ (2005/05)
サッカーに関わる仕事は他にもサッカー番組の制作会社勤務やサッカー雑誌の編集者、ターフキーパー(→グリーンキーパー)、サッカーライター、サッカーフォトグラファー、スポーツメーカー勤務やサッカーショップの経営・店員など数多くあります。
なお、本ページの内容については次の本を参考にしました。
『サッカーでメシが食えるか?―サッカーのお仕事大紹介 』 スタジオダンク(著)
ノースランド出版 (2005/05)
上記の仕事について実際に働いている人たちのインタビューを通じて、仕事に就くまでの経緯や仕事内容、求められる能力などについて解説するほか、ここには挙げていないJリーガーに引退後の仕事を斡旋するJリーグキャリアサポートセンターや、日本サッカー協会、オフィシャル写真管理会社、地方クラブのスタッフ、サッカー番組やサッカー雑誌、国立競技場やスポーツメーカー、笛職人、ターフキーパー、人工芝メーカー、サッカー留学斡旋、サッカーショップ、サッカーバーの仕事内容などについて紹介しています。
『サッカーでメシが食えるか?〈2〉サッカーのお仕事大紹介 』も発売中。
『マンガ
サッカーにかかわる仕事 』 ヴィットインターナショナル企画室
(編集) ほるぷ出版 (2003/12)
プロサッカー選手と審判員、サッカークラブのスタッフをピックアップして、マンガをまじえながら分かりやすく仕事内容や職につくための道が解説されています。
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