大学生の方へ


 大学生になったのであれば、大ざっぱにでもなりたい職業は決まっているかと思います。
 もし、ただなんとなくサラリーマンにでもなるつもり、と思っているとしたら要注意です。
 企業の採用担当者は、漠然とただ「サラリーマンになりたい」としか思っていない学生を採用するつもりはありません。
 会社で働く人は、常に予算とスケジュールにのっとって行動します。予算はなにも、売り上げ予算や利益予算、経費予算といった数値目標だけではありません。年度毎に「何をするのか」という具体的な行動目標でもあります。予算は中長期計画と実績をベースに策定されます。中長期計画は企業理念の実現に向けた行動計画と言えるでしょう。こうした長期の目標を年間ベースの細かい目標にブレイクダウンし、それを確実に達成すべく行動する、という企業人の行動様式は、個人の人生にも適用可能です。

 みなさんも試しに自分の中長期計画と予算を立ててみませんか?
 学生時代からサラリーマンみたいに予算に縛られてたまるか!と思う人もいるでしょう。しかし、予算に縛られろ、なんて一言も言っていません。
 目標の立て方は、各人の性格に合わせて細かく設定するのも大まかに設定するのも自由です。あくまでもガイドラインなので、目標を変えたくなったら予算の建て直しをすればよいのです。目標の内容にどんなとんでもないことを掲げても自由です。要するにおよそ何年でそれを実現するつもりなのか、実現のために何をすべきか、自分がいまやっていることは目標の実現にどう結びついているのかが分かっていればよいのです。

 自分で起業するにせよ、サラリーマンになるにせよ、目標の設定とその達成という基本理念が求められる点では共通しています。違いはサラリーマンの場合、企業の目標が前提としてあって、それに則った形で自分の目標を設定しなければならないという点だけです。
 企業の採用担当者は、実現可能な行動目標(予算)をしっかりと策定できて、その予算を着実に達成する人間を好みます。彼らが面接時に「学生時代に何をやりましたか」と尋ねる理由は、自分の目標を立て、目標達成に向けて正しく行動できる人間なのかどうか、そして目標に対してどれだけの成果をあげられたのかを確認するためなのです。

 まだ、大学1年だし……と将来の仕事について考えることを後回しにしていると、友人たちに先を越されてしまいます。大学はたった4年間ですが、その後の職業人生は40年以上に及ぶのです。仕事選びと就職活動は、その大事な40年間を決定する極めて重要な事柄です。友人たちは「こんなに前から就活なんて」と笑うでしょうが、実はひそかに自分の将来に向けて活動を開始しています。

「若いころは能力の差より情熱の差のほうが大きくものを言う」という格言は決して嘘ではありません。 能力は長期にわたる努力によってかなりカバーできますが、好きな仕事を得る機会はほとんど若い頃にしか巡ってこないことをよく理解しましょう。



 リクルートワークス研究所による2007年4月発表の大卒求人倍率調査によりますと、2008年3月卒業予定の大学生・大学院生を対象とする民間企業の求人数はおよそ93万人。バブル期の91年3月卒の84万人を超えています。それに対し、就職希望者数は少子化の影響で頭打ちの状況で約44万人。つまり大卒求人倍率は2倍を超えています。

 現在の好況がいつまで続くか疑問ですが、売り手市場であることは間違いありません。

 しかし、こういうときこそ、大企業のイメージ戦略につられることなく、自分のやりたいことと適性をよく把握し、納得のいく仕事選びをすべきでしょう。大企業の仕事は多岐にわたります。次のページ(→サラリーマンになりたい)から絞り込んでみてはいかがでしょうか。

【参考図書】 

 大学生のためのキャリア開発入門 第2版』 中央経済社 (2008/03)

 学就BOOK―大学1、2年生の間にやっておくこと』 日経HR (2008/03)

 『就職四季報 2009年版 (2009)』 東洋経済新報社(2007/11)

 『就職四季報 女子版 2009年版 (2009)』 東洋経済新報社 (2007/11)

 『就職の流儀―人生を良くする40の就活・メソッ ド 』 越智通勝(著) 幻冬舎メディアコンサルティング
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