どうやって適職を探す?

 このサイトでは「〜たい」と「好き」を手がかりに各職業を紹介していますが、人生にとって自分の生命や家族・恋人の次に大切と言っていい職業を、ただ単純に好きというだけで決めるのはあまりお勧めできません。自分の特技や長所、得意な教科、価値観(ただひたすらお金持ちを目指すのか、仕事のやりがいや面白さを優先するのかなど)、性格(内向的か外交的か、職人タイプか学究タイプかなど)、ほかいろんな適性を考慮すべきです。
 自分が好きだと思っていることと、他人から見て「向いている」と思われることは必ずしも一致していません。スポーツが好き、絵を描くのが好き、マンガを描くのが好き、というのであれば、寝食を忘れるまでそれに夢中になれるか、充実感を維持しながら何日も続けられるかどうかである程度の適性がわかります。とはいえ、たとえ何日間も熱中できるほど意欲に満ちていても、「才能」や「感性」に見放されている人は数多くいます。
  子どもの頃にあこがれる職業――プロスポーツ選手ミュージシャン芸能界パイロットステュワーデス、宇宙飛行士、ゲームデザイナーファッションデザイナー小説家マンガ家フォトグラファーなど――はとても狭き門ですので、単純になりたいからといって簡単になれるわけではありません。逆にたとえば「数字が好き」という子供はあまり見かけませんが、数字の得意な人向きの仕事はスポーツが好きな人向きの仕事より遥かに需要があり、平均収入も高いです。(数字が好きと一言でいっても計算間違いを一切しない、数学的な論理力がある、数値化やシミュレーションが得意などいろいろですが)。
 ですので、できる限り早い時期から自分の嗜好と適性を意識し、テストや部活、スピーチ大会など学校の諸活動を通じて自分の力を試しましょう。また、最もなりたい職業だけに固執せず、第2目標、第3目標への道も柔軟に考えるようにしましょう。
 たとえば小説家シナリオライターを目指していても、実際になれる人はごくごくわずかです。一方で翻訳者新聞記者コピーライター業界紙の記者テクニカルライターWEBクリエイター、会社の広報部など、文章を書く機会の多い仕事はほかに山ほどあります。書く仕事につくことで小説家に欠かせない文章力が鍛えられるというメリットもあります。

 小さい頃に作文で書かされた「将来の夢」とはまったく別の分野で成功している人はたくさんいます。子供の頃は大人のさまざまな仕事に触れる機会がありませんから当然です。社会学習として近くの工場などを訪れるケースはありますが、いろんな職場を訪ねるには時間が足りません。仕事の内容がおよそわかったとしても、実際にやってみなければ自分にあっているかどうかわかりません。さらに、年齢を重ねるにしたがって自分のやりたいことは変化しますし、世の中で求められる職業も変化します。
  いったん就いた職業を一生続けるのは素晴らしいことですが、若い頃はいろんな仕事にチャレンジするのも良いでしょう。現代はすべてにおいて専門性が求められる時代ですが、いっぽうで専門家の意見を調整しながら利益目標に責任を負うプロデューサー的な仕事、人と人を結ぶコーディネーター的な仕事もたいへん重要です。

 法律遵守や社会責任、人事、技術、特許、環境などさまざまな要素が複雑にからむ大企業では、近接する仕事をいくつか経験したほうが幹部になってから役に立ちます。会社に縛られて生きたくないという人も、浅い気持ちで職場をあれこれ変えるのではなく、あくまでも自分のやりたい方向に従って職場を変えることが重要です。

 途中で職業を変えることはハンディキャップになる場合もあれば、そうでない場合もあります。ただ、いつまでたっても「自分探し」をしていると、周囲の人から敬意を払われないでしょう。





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