中学・高校生の方へ |
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世界的に有名な建築家の安藤忠雄氏は、『仕事力 近年、小中学校でも職場体験や職場見学を授業に取り入れる傾向が増えています。それらによって「これだ。これこそ僕の/私の天職だ」と触発されることもあるかもしれません。それはそれで結構ですが、一つに決め打ちするのは危険です。それは、どうしても見た目のカッコ良さやお金持ちイメージ、などによって判断しがちで、本質的なところがつかみにくいためです。 世の中には中学生・高校生の日常ではほとんど見かけることのない場所で働いている人たちがたくさんいます。見ただけで仕事内容がイメージしやすい職業―例えば医師や看護師、警官、工場でものづくりをおこなう人たち、職人、テレビタレント、学校の先生、店員など―は、世の中の仕事全体からすればごく一部でしかありません。 テレビ番組などではサラリーマンや公務員の仕事は平凡な存在として描かれることが多いですが、実際にはいろんなバリエーションがあり、なかには面白くやりがいのある仕事もあります。 経理や総務、人事、広報、企画などの仕事は、調べ物をしたり、パソコンで資料を作ったり、会議を開いたり、電話をしたり、といったありきたりの退屈な仕事だと思われる方もいるかもしれません。しかし、何について会議を開くのか、資料をつくるのかは企業や業界によってさまざまで、ビジネスの内容がわかってくるにつれて、武者ぶるいするほど面白いと思うような仕事に就けるチャンスだってたくさんあります。それは中学・高校生の時点ではイメージしにくいことかもしれません。 そうした仕事で大学卒以上の学歴が求められることの多い理由をご存知でしょうか? それは、大学卒業者であれば、「学校の勉強」という形で、たとえ自分の個人的関心のない分野の事柄でもちゃんと深く理解して課題解決をはかる訓練がなされていると見なされるからです。 自ら問題、課題を発見し、上司から指示されなくても、課題のクリアのために頭脳を駆使し、あるいは関係するさまざまな専門書を理解し、ときには海外の関係書にまで目を通し、専門家たちと会話ができると見なされているといっても良いでしょう。 実際には大学を卒業してもそれができない人、反対に大学を出ていなくてもそれができる人はいます。しかし、企業や官公庁が短い期間に多くの就職希望者を見て採用するかどうか判断するためには、ある程度、学歴を目安とせざるを得ないのです。 学歴だけが重要だ、と思い込むのは誤っていますが、だからといって学歴の重要性を無視することも誤りです。高偏差値の大学に行けばガリ勉君ばかりいると思い込む人はただの愚か者です。やはりそれなりに勉強だけでなく多彩な知力をもった人たち、少なくとも知へのリスペクトを共有できる人たちとめぐり合う機会が多いと考えたほうが良いでしょう。専門の講義だけでなく、キャンパスライフのいろんな側面で、知的な人と接触し、「おまえ、こんなことも知らないの?」などとちょっとした侮りあいをしながら、切磋琢磨を繰り返すことで知力が磨かれます。 企業や官公庁が求めるのは、そうした知的な人たちとの交流によって培われる総合的な知力なのです。 |