国内メガバンクの統合によって、銀行は三菱東京フィナンシャルグループとみずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行の3強時代に突入、長期にわたる不良債権処理を終えて業務利益を大きく伸ばしつつあります。
銀行の仕事といえば、かつては預金獲得が重要でしたが、現在は慢性的な金余りにより、どうやって巨額資金を運用して利益を上げられるかが勝負の分かれ目になっています。企業や個人に対する財務コンサルティングサービスの提供がキーとなり、個人向け貸付のノウハウ獲得、緻密な市場分析・経営分析能力、確実な審査能力・リスク管理能力が今後の課題となっています。
いっぽう保険業界は生命保険(第1商品)、損害保険(第2商品)に続く第3商品(医療保険や介護保険など)で市場拡大を目指していますが、規制によって守られていた国内市場が自由化し、外資系企業が激しい攻勢をかけてきています。
証券業界もネット証券が急成長を果たし、2004年末に始まった他業種の証券仲介業参入解禁によって、銀行やクレジットカード会社、不動産会社、自動車販売会社などが新たに参入してきました。
このように、金融ビッグバンの影響によって、銀行・証券・保険業界の垣根は取り払われつつあります。
ソニー銀行やイーバンク銀行、ジャパンネット銀行、新銀行東京といった異業種からの参入、地方銀行の淘汰、ネット銀行やネット証券の拡大、不動産の流動化などの動きもあって、競争は激化する一方です。
そんな混淆とした時代だからこそ、金融業界では既存の枠にとらわれない若い頭脳とパワーが必要とされています。
金融業界には、ほかにもクレジットカード会社やリース会社、消費者金融などが含まれます。
【参考書】
『金融業界大研究―ビジネスのしくみから仕事の中身まで業界のいまがわかる本!
』 斎藤裕 (著) 産学社 (2007/03)
『銀行〈2008年度版〉 』 伊藤雄一郎(著) 産学社
(2006/10)
『生保・損保〈2008年度版〉 』 千葉明(著) 産学社
(2006/10)
業界の仕組みや主要企業のプロフィール、待遇・勤務条件、求められる人材像など、就職活動に必要な情報が満載。
法人営業(ホールセールス)
担当する地域の企業や法人団体に対し、融資取引や資産運用、企業向け保険商品を提案する仕事です。大きな案件では本社の専門家とともに融資先の経営状況や財務状況を分析し、経営コンサルタント的な役割を果たします。
個人営業(リテールセールス)
担当する地域の個人富裕層に対してさまざまな投資信託商品や外貨預金、個人向け保険商品などを紹介し、資産運用を提案する仕事です。不動産活用や相続税対策などの相談に対応することもあります。
代理店営業(保険会社)→代理店営業
与信審査・審査部
金融業にとって、お金を貸す相手の返済能力や信用度は極めて重要な事柄です。与信審査部門は、企業の経営状況や財務状況、融資資金の用途などを調査・分析し、信用リスクを計量化して、融資条件の判断をおこないます。ほかにもマーケットリスクの評価、リスクのモニタリング、レポート作成などの仕事があります。
クオンツ(クオンツアナリスト・定量分析アナリスト・ファイナンシャルエンジニア)
金融工学的手法やコンピュータ・プログラムを駆使してファイナンス・リスクを計算し、金融派生商品(デリバティブ)の開発や投資戦略の立案、市場トレンド分析をおこなう仕事です。クオンツとはもともとQuantitative(定量的)に由来する言葉で、高等数学や統計学からなる金融工学に基づいて理論的に市場を分析する技術です。現在は主に外資系のファイナンス会社や格付け会社で働いていますが、今後は国内の証券会社、投資顧問会社、銀行などでも採用される傾向が見込まれます。
クオンツになるには、大学や大学院で理工系の物理学や金融工学を専攻するのがベストです。また、GARP(GLOBAL
ASSOCIATION OF RISK MANAGEMENT) のFRM(*)資格試験に合格すると世界的に活躍することが可能です。
ただ、いっぽうで理論やプログラムがどれだけ素晴らしくても、結果を出さなければファイナンス業界で相手にされないことは、事前に承知しておきましょう。
(*)FRMとはFinancial Risk Managementの略で、GARPが認定するリスクマネジメントの世界的資格です。
【参考書】
『世界一やさしい金融工学の本です 』 田渕
直也 (著), トレンドプロ (著) 日本実業出版社 (2006/3/24)
『物理学者、ウォール街を往く。―クオンツへの転進 』 エマニュエル
ダーマン (著) 東洋経済新報社 (2005/12)
『金融工学者フィッシャー・ブラック 』 ペリー・メーリング(著) 日経BP社
(2006/4/20)
『フィナンシャルエンジニアリング―デリバティブ取引とリスク管理の総体系 』
ジョン・ハル(著) 金融財政事情研究会; 第5版版 (2005/03)
アクチュアリー(保険計理人・年金数理人)
保険会社や官公庁で保険料や年金掛け金、配当金を算出する数理業務のプロフェッショナルを認定する資格です。
たとえば生保では、対象者の健康状態や年齢から死亡率を計算した上で保険料を算出しますし、火災保険や自動車保険は火災発生率や事故発生率をベースにして算定されます。この場合、アクチュアリーの資格をもつ保険計理人が、保険料や配当、責任準備金(保険会社が保険金支払いのために保持していなければならない準備金)を算出します。
厚生年金基金では、アクチュアリーの資格をもつ年金数理人が、厚生労働大臣に提出する年金数理の関係書類を確認する責務を負っています。
アクチュアリーになるには、日本アクチュアリー会が実施している資格試験に合格し、所定の研修を受講する必要があります。現在、日本アクチュアリー会の会員数は約3500人で、おもに生保や損保、信託銀行のほか、コンサルティング会社、監査法人、官庁などに所属して活躍しています。
エコノミスト
国内外の金融指標や産業指標、景気指標、FRB(米連邦準備制度理事会)議長や日銀総裁の発言などをもとに、マクロ経済の分析や景気トレンドの予想をおこなう仕事です。おもに銀行系や証券会社系のシンクタンクに所属していますが、大学に籍を置く経済学者や経済評論家もエコノミストと呼ばれることがあります。
自民党執行部が2005年衆議院選挙で郵政民営化に反対した岐阜1区の野田聖子議員への刺客として送り込んだ佐藤ゆかり氏は、JPモルガン証券でシニア・エコノミスト、CSFB証券でチーフエコノミストを務めていたことで有名になりました。
【参考書】
『エコノミストの仕事術―著名12人が独自の見方・考え方を伝授! 』
小関珠音(著) 生活情報センター (2004/07)
『マクロ経済学はどこまで進んだか―トップエコノミスト12人へのインタビュー 』
ブライアン スノードン(著) 東洋経済新報社 (2001/09)
カストデイ
custodyは大切なものの保管・管理を意味します。つまり、顧客の大切な資産である有価証券の保管や決済、配当金の徴収をおこなう仕事です。
ディーラー ファンドマネージャー 証券アナリスト
フィナンシャル・プランナー
窓口業務(テラー)
―預金窓口
銀行の窓口で預金口座の開設や住所・印鑑変更届への対応、振込み、口座振替などの手続きをおこなう仕事です。
―資産運用窓口
銀行や証券会社などの窓口で資産運用の相談を受け、投資信託商品や外貨預金、年金保険商品、国債などの商品を勧める仕事です。
―個人融資窓口
消費者金融の窓口で個人融資に関する相談を受け、申込みの受付や審査書類の作成をする仕事です。銀行でも、住宅金融公庫等の住宅資金や住宅ローン、マイカーローン、教育ローンなどを扱っています。
―相談窓口
住所変更や口座振替(自動的に指定口座に振替るサービス)、印鑑・カード紛失の際の諸手続きなど、時間のかかる手続きを担当する窓口業務です。
案内係
ホール内で勝手がわからず困っている顧客に進んで声をかけ、必要な窓口や手続きなどを案内する仕事です。
カスタマーサービス
たとえば険会社なら現在結んでいる保険契約の内容についてなど、顧客からの各種問い合わせや相談に電話で応じる仕事です。
→コールセンター)
海外金融業務
世界各国の為替・金利・株式・債券などに関する調査・分析、海外で開催されるカンファレンスや商品博覧会の取材及びレポート、
海外投資家に対する自社金融派生商品の紹介、プロモーション、送金手続き、為替手続き、海外業務提携などをおこないます。
保険事務
生命保険には名義変更や契約内容の変更手続き等をおこなう保全業務や保険料の入金に関わる収納業務、査定や支払い、新規契約に伴うさまざまな事務仕事があります。これらの補助的な仕事は派遣社員が担当するケースが増えています。なかには派遣社員を経て正社員に採用されるケースもあります。
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その他、金融業界には一般企業と同じように総務や人事、法務、情報システム、秘書、経営企画、広報、経理などの仕事があります。
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