国際的な仕事は、何も外国語の知識や英会話能力に優れた者だけがおこなうわけではありません。むしろ、時差ぼけでも通常の能力を維持できる体力・精神力や粘り強い交渉力、文化的な背景を理解して日本的な発想に縛られない柔軟な発想が要求されます。英語が国際的な標準語であることは今後も変わらないでしょうが、一方で中国語など他の言語に精通すると有利な場合もあります。あと忘れてはいけないのが貿易の知識です。また、海外の法律や税務、会計に強いと有利です。
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商社勤務
(→流通・小売の仕事)
総合商社や専門商社に所属し、木材や小麦や繊維、希少金属、食糧といった国際商品を売買する仕事です。エネルギーやプラント、情報通信といった大規模な社会のインフラに関わる仕事が多いです。一人でハンドリングする金額は多額で、金融的の仕事をすることも増えてきました。
情報収集や相場のチェック、商談、顔つなぎ、クレーム対応など仕事は多岐にわたり、海外とのコレポンや海外出張などで就業時間は不規則になりがちです。時差ボケの状態でもタフな交渉に負けない強健な体力と精神力、粘り強さが要求されます。新人時代から貿易事務や為替、財務、審査、法務など必要な実務を徹底して身に着けることが要求されます。
【関連資格】
貿易実務検定
輸送会社の選定や通関の知識、外国為替の動向、海上保険の知識、各国のカントリーリスクの知識が求められます。詳しくはこちら(→ 貿易実務検定R)をご覧ください。
国際貿易実務検定
貿易業務主任者(FTS)と貿易管理者(ATS)があり、FTSでは英文ビジネスレターの読み書き能力が問われます。
なお、商社の仕事は国際関係だけに限りません。国内では流通・小売店のM&Aや、Eコマースなど新しいビジネスモデルの仕組みを構築する仕事もしています。
『商社〈2008年度版〉 』 美原融(著) 産学社
(2006/11)
主要商社の最新トレンドや企業プロフィール、具体的な仕事内容や待遇・勤務条件・求められる人材像等、就職活動に必要な情報が満載。
国際財務
日本企業の財務・経理部門、国際業務部門などに所属し、海外の現地法人や子会社、買収した企業の財務状況の分析・管理や税務に関係する仕事をします。
【関連資格】
BATIC(国際会計検定)
英文簿記と米国会計理論をベースとした国際会計の知識やスキル、日本の会計基準を国際的な会計基準に組み替える(リキャスティング)能力を評価する検定です。スコアによって4段階の称号が与えられます。外資系企業や日本の国際企業で経理・財務を担当したい人はご一考ください。詳しくはこちら(→東京商工会議所 検定試験情報) 及びこちら(→ BATIC(国際会計検定)R)をご覧ください。
米国公認会計士(CPA)
米国において会計監査や税務、会計業務ができる資格です。グァムなども含む米国内約300か所のプロメトリックテストセンターで受験できます。詳しくはこちら(→米国公認会計士協会(AICPA))
及びこちら(→ 米国公認会計士(CPA))をご覧ください。
ほかにも 米国税理士(EA)などの資格があります。
メーカーの海外営業
今や大手製造メーカーの多くは海外との貿易をおこなっています。メーカーの海外営業部は海外の販売会社やOEM先との関係を維持し、売上げ向上に向けてさまざまな営業活動をおこないます。
一般的な例で言いますと、新人で海外営業部に配属された場合、まず最初に出荷・貿易業務を担当します。国際物流にはさまざまなトラブルがつきもので、例えば製品が毀損していた場合、物流部門や品質管理部門と協力して、原因が製品の品質にあるのか、荷扱いにあるのか原因究明し、問題の再発を食い止めなくてはなりません。海上保険の手続きも必要になります。
また、販売会社の売れ行きを常にチェックし、適切な在庫をもつよう指導する必要があります。価格は常に為替によって変動しますので、外国為替の知識も求められます。
貿易事務の仕事に慣れてくれば、事務的な仕事の大部分を専任の人に任せ、海外からの顧客が来訪した場合の同行や顧客訪問、予算・見込み・実績の管理、ビジネスミーティングでのプレゼンテーション、販売会社でのプロモーションへの支援などをおこないます。また、法律問題や為替の大幅な変化、文化的摩擦などの諸問題が生じた際には関係部門をコーディネートして問題解決にあたります。
海外の見本市やビジネスショーに商品を出展し、新規顧客やOEM先の開拓をおこなう海外営業部員もいます。
流通業の国際部門
商品の買い入れ(国際バイヤー)や海外の流通企業との業務提携、海外出店計画の立案・実行など幅広い仕事があります。
海外金融業務
貿易事務
通関や保険など、輸出入に関わる事務作業をおこなう仕事です。輸出関係について言うと、まず最初に出荷する製品の実在庫を確認し、輸送会社や社内の物流部門に出荷依頼をします。並行して商品の種類、重量、サイズをチェックし、コンテナ船の手配や通関手続き、保険手続きをおこないます。貨物の受け取り先に輸入通関や輸送手配に必要な情報を適時連絡することも大切です。英文メールやファックスでのコレポン業務は欠かせませんので一定の外国語能力が求められます。
貿易事務の派遣仕事を探すなら こちらをご覧ください。
【参考書】 『やさしくわかる貿易事務のしごと 』
井上 洋 (著) 日本実業出版社 (2002/06)
海外マーケティング
海外市場で拡販するため、販売会社の営業活動に必要なプロモーション用のビデオやCD-ROM、セールスガイドブックを作成するほか、新商品の導入時にさまざまな紹介活動やセールストレーニングをおこないます。
国内外の調査会社を利用して市場調査や他社競合の状況調査をおこない、海外市場のニーズを的確にとらえて商品企画に反映させることもマーケティングの仕事です。また、ビジネスミーティングやプロダクトミーティングを開催して、海外現地法人のメンバーまたは海外大手顧客を招待し、関係部門の同席のうえ、ディスカッションやプレゼンテーションをおこなうこともあります。大きなミーティングでは、会食や打ち上げパーティのアレンジ、エンターテイメントの手配も必要です。
【参考書】 『国際マーケティング戦略―ビジネス活動とグローバル展開
』 熊田喜三男(著) 学文社 (2000/03)
海外技術支援
大手の製造メーカーで現地法人に派遣され、品質クレームへの対応やサービスエンジニアの教育、サポート、技術マーケティングをおこなう仕事です。大学の理系学部、あるいは大学院を卒業し、製造メーカーに就職して設計や品質管理部門などで実務経験を積んだうえ、派遣されるケースが多いです。
海外製造支援
日本の製造メーカーはアジアを中心として世界各地に製造拠点を展開しています。製造技術や品質管理に精通し、異文化にもすぐに溶け込める性格の人は海外の製造拠点に派遣され、現地で製造ラインの構築や工程管理、品質管理の指導をおこないます。食べ物にせよ人間にせよ、文化的な違いをエンジョイできる技術者に向いています。
プラント設計技術者
プラントの建設は現在のところ国内より海外が主であり、主に日本のODAをベースに商社やプラント会社が共同で受注し、プラント設計技術者が現地に派遣されてプラント建設の指揮を取るといった事業構造になっています。したがって海外で働く機会の多い仕事といえるでしょう。
【関連資格】
プロフェッショナル・エンジニア(PE)
アメリカで創設された資格です。「公共の安全・健康・福祉に奉仕する」エンジニアの能力を認定するもので、特にアメリカでプラント工事を手がける際に有利になります。1次試験としてファンダメンタルズ・オブ・エンジニアリング(FE)の資格を取得し、4年間の実務経験を積むことでPEの受験資格が得られます。FEの受験資格は理工学系の大学卒業予定者以上。日本でもFEの資格試験が受けられます。詳しくはこちら(→NPO日本PE・FE試験協議会)及びこちら(→ ファンダメンタルズオブエンジニアリング(FE)試験)をご覧ください。
国際法務
大手商社やメーカーなどで、主にアメリカ・中国の特許法や独占禁止法、契約に関わる法律に精通し、各国の弁護士と交渉して法的問題に対処する仕事です。弁護士資格を持った上で企業の国際法務部・国際業務部に所属するケースもあります。(→法務部,知的財産部)
国際法務のプロになるためには、 米国弁護士を目指すのもひとつの道です。
【参考書】
『国際取引契約実務マニュアル―チェックリストで英文契約書を骨組みから理解する
』
日商岩井株式会社法務リスクマネジメント部(著) 中央経済社 (2004/03)
『基礎からわかる英文契約書―ビジュアル対訳 』 野口
幸雄(著) かんき出版 (2006/07)
海外広報
海外に多くの販売拠点や製造拠点を抱える国際企業や、これから海外市場に進出しようとする企業、海外の投資家から有利な条件で資金を集めようと考えている企業では、国際広報の仕事が重視されます。具体的な実務は現地の人が担当するとしても、現地の広報担当者に指示を与えなくてはなりません。そのためには語学力だけでなく、幅広い広報の知識や海外の文化事情について精通している必要があります。
国際バイヤー
衣料品や貴金属、食料品などについて豊富な商品知識を持ち、海外の市場に精通し、より高品質で低価格の商品を安定して仕入れるため、海外の企業と交渉し、売買契約を結んで輸入する仕事です。輸入申告などの通関手続きの知識があると有利です。品質問題の際には適切に処理する必要があり、図太い神経と交渉力がものをいいます。各国の法律にも絡むことがあるため、一定の法律知識も求められます。メーカーには必ず資材調達部門があり、部品や原材料を海外から輸入することもこれまで以上に増えています。
【参考書】
『ぜったい儲かる!「輸入ビジネス」―少ない資金でカンタンに開業ができる! 』 中村貞彦(著) すばる舎
(2004/11)
『図解で入門!よくわかる貿易の実務―輸出・輸入のしくみから書類手続きまで 』 木村雅晴(著)
PHP研究所 (2003/10)
海運貨物取扱業者・乙仲業者・海貨業者・フォワーダー
輸出をおこなうメーカーや輸入をおこなう商社などから依頼を受けて、 輸出貨物の船積みや輸入貨物の荷卸し、国内運送業務の手配、貨物の検数、通関業務を代行する仕事です。海運業者の傘下にある場合が多いです。
航空貨物取扱業者・フォワーダー
空運で輸出入をおこなう必要のある会社から依頼を受けて、航空便貨物の荷役や国内運送業務の手配、通関業務などを代行する仕事です。航空会社の傘下にある場合が多いです。(→交通・運輸業界)
国際航空貨物輸送の実務に関係する資格としては IATA−FIATAディプロマ試験があります。
通関業者
輸出業者や輸入業者に代わって通関業務をおこなう業者で、乙仲業者(海貨業者)や航空貨物取扱業者の傘下にあることが多いです。具体的には、税関署への輸出・輸入の申告、輸入貨物に課せられる関税や消費税などの申告・納付、関税の減税・免税制度の適用手続きなどをおこないます。
―通関士(資格)
通関書類の作成・審査、税関の調査・処分に対する主張や不服申し立てをおこなうための国家資格です。通関書類を審査して書類に記名押印するには通関士の資格が必要のため、通関業務をおこなう営業所ごとに通関士を置くことが原則になっています。詳しくはこちら(→税関)及びこちら(→ 通関士)をご覧ください。
移住コーディネータ
定年後の人生を海外で過ごす人が増えています。タイやフィリピン、インドネシアのバリ島などは物価も安く受け入れ態勢も整ってきており、移住の条件も敷居が低くなっています。ほかにもオーストラリア、カナダ、ハワイが人気の移住先で、国内で言えば北海道や沖縄に移り住む人が増えています。移住する人が増えるにつれて、外国語ができない、食べ物が合わないという声も以前に比べてあまり聞かれなくなりました。これはそうした移住者をサポートする日本人スタッフが増えてきたことを意味しています。
移住コンサルタントは移住を希望する人にセミナーを開いて移住先や移住手続きをレクチャーするほか、各人の相談にのったり、移住に至るまでの諸手続きを代行したり、移住後のケアをおこなうなどの仕事をします。
移住コンサルタントになるには、日本人の移住に適した海外に長期滞在し、現地の日本人会でボランティアをするなどして人脈を広げたり、旅行代理店や不動産会社など移住コンサルティングをおこなっている会社に就職する必要があります。
行動力のある団塊の世代が大量に定年を迎える時代、ハッピーリタイア―移住―に関する仕事の需要はますます増えると考えられています。
海外挙式プロデュース業
英文事務 通訳 翻訳 国際公務員 外国政府の観光局スタッフ
リクルート進学ネットで国際貿易に関係する資格を調べたい方はこちら(→ 貿易関係の資格)をご覧ください。
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