歌手(ボーカリスト)・ミュージシャン
歌手・ミュージシャンになるには、オーディションや持ち込み、あるいはストリート・ミュージシャンとして活躍し、ライブで客を集めるといった方法などがあります。歌唱力や演奏能力だけでなく、容貌や表情の力、表現力、演出力、パフォーマンス性なども求められる仕事です。
アーティストの収入はマネジメントオフィスからの給料のほか、レコード会社との契約金やレコードの売上に準じて支払われるアーティスト印税・著作権印税、マーチャンダイズ印税(関連グッズの印税)、テレビ出演料やステージ演奏量(但しマネジメントオフィスの給料に含まれることが多い)などから成り立っています。
アーティスト(歌手・ミュージシャン)になるには、音楽系の大学や専門学校で基礎を身に着けるのが望ましいですが、音楽学校に通わなくてもストリートミュージシャンとして人気を博した結果デビューする人はたくさんいます。
ストリートやライブハウスで地道に演奏を続けながら、オーディションを受けたりコンテストに参加したり、デモテープを業界関係者に送る、など積極的に自分をアピールしましょう。ウェブ上にもオーディションサイトがいくつかあります。
【参考書】
『音楽で仕事をする。―業界入門書
(2007) 』 エンタイトル出版
(2006/01)
『ミュージシャンになる方法 』 加茂
啓太郎 (著) 青弓社 増補版版 (2002/01)
ミュージシャンになるにはどうすればよいかをテーマに、デモテープの送り方や送り先、オーディションサイトの紹介や音楽業界の仕事及び諸事情、デビュー後の生き方など、レコード業界の現場にたずさわる著者が詳しく解説しています。
『ミュージシャンになるには―「音」に誇りをもち、流行に流されず、技術におぼれず 』 木村
由香里 (著) ぺりかん社 (2006/07)
スタジオ・ミュージシャン(サポート・ミュージシャン 楽器演奏者)
ミュージシャンとしてデビューしても長年にわたってじゅうぶんな収入が得られるにはヒットを連発して多くの固定ファンを獲得しなくてはなりません。生涯にわたって歌手・ミュージシャンであり続けるのは至難の技で、いったんミュージシャンとしてデビューしても数年後には一般の職業に戻るケースも数多くあります。とはいえ確かな演奏能力や作曲・作詞能力、人間的な魅力、プロデュース能力、その他の能力があれば音楽業界にとどまることも可能です。
三味線や太鼓など邦楽器を演奏する仕事については「伝統芸能が好き」をご覧ください。
作曲家
自分で作詞・作曲・演奏を手がけるシンガーソングライターもいますが、主にレコード会社に依頼されて歌手が歌う歌を作曲したり、広告会社に依頼されてCMソングを作曲したり、映画やテレビ番組の制作会社に依頼されて主題曲を作曲したりする仕事です。バンドのミュージシャンが自分たちの演奏する曲をつくることもあります。
【参考書】
『作曲本~メロデイーが歌になる~ 』 野口義修
(著) シンコーミュージック; B6版 (2005/6/7)
『絶対わかる!曲作りのための音楽理論―必要最小限の理論知識だけでOK! 』
デイヴ・スチュワート (著) 藤井美保(訳) リットーミュージック; 新装版版 (2006/01)
『裏口からの作曲入門―予備知識不要の作曲道 』 御池
鮎樹 (著) 工学社 (2006/08)
作詞家
ミュージシャンの曲想やイメージ、関係する番組やスポンサー企業などを考慮して曲にあった歌詞をつける仕事です。人の印象に残る言葉や曲に乗りやすい言葉の選択眼など優れた言葉のセンスが要求されます。作詞家になるには作詞コンテストに応募するかレコード会社などに作品を持ち込む方法があります。現代の音楽業界は広告業界と密接な関係にあり、コピーライター出身の作詞家も増えています。
【参考書】
『作詞本~言葉が歌になる~ 』 遠藤幸三
(著) シンコーミュージック(2005/6/7)
『夢の印税生活者―作詞家になって年収を200倍にする!! 』 及川眠子(著)
講談社 (2003/11)
編曲家・アレンジャー
作曲家がつくったメロディーをもとに、ミュージシャンのイメージや方向性、レコーディングやライブのコンセプトに合わせて、使用する楽器を定め、イントロや間奏部分をつくる仕事です。昔の名曲がリバイバルヒットするのは現代風にアレンジする編曲家の力があってこそです。
【参考書】
『編曲の本 』 日本作編曲家協会(著) ヤマハミュージックメディア
(2003/01)
デスクトップミュージシャン(デジタルサウンドクリエーター)
シンセサイザーやDTM(Desktop Music)ソフトなどを用いて、ゲームサウンドや着メロの作曲などを手がける仕事です。
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【参考書】
『デジタル・ミュージック・ディレクターズ―すべてのサウンドクリエーターに捧げるデジタルミュージックマガジン 』
ステレオサウンド (2000/06)
楽器職人
管楽器や弦楽器の楽器を製作したり修理・調律をする仕事です。ピアノならピアノ、バイオリンならバイオリンと専門に分かれています。
―ピアノ調律師
ピアノの音を正確かつ美しく保つのが仕事です。調律科のある音楽大学や調律師の養成施設で学んでピアノメーカーや楽器店に就職するのが一般的です。
詳しく知りたいはこちら(→ ピアノ調律師)をご覧ください。
【参考書】
『いい音ってなんだろう―あるピアノ調律師、出会いと体験の人生 』 村上
輝久 (著) ショパン (2001/01)
『日本のピアノ100年―ピアノづくりに賭けた人々 』 前間
孝則 (著), 岩野 裕一 (著) 草思社 (2001/10)
―バイオリン職人
バイオリンの製作や修理をおこなう仕事です。バイオリン職人になるには、高名なバイオリン職人に弟子入りするか養成学校に通学する必要があります。最も良いのはイタリアやドイツの職人養成学校に留学することです。ドイツにはバイオリン職人の国家資格があり、合格するとマイスターの称号を得られます。アメリカや日本にも学校がありますので当たってみてはいかがでしょうか。
【参考書】
『日本の職人さん
(7) 』 高田
勝弘(著) ポプラ社 (1998/04) 手工ギターの職人親子に取材した本です。
音楽プロデューサー
音楽プロデューサーと一言でいっても所属する業界や組織、立場によっていくつかのタイプに分かれます。レコード会社やミュージシャンのマネジメントオフィスに所属してミュージシャンの発掘からプロモートまで手がける総合プロデューサー(→A&R)、レコード会社でCDレコードの制作に責任をもつ音楽プロデューサー(=レコーディングプロデューサー)のほか、広告業界、映画業界、アニメ・ゲーム業界など各界に固有の音楽プロデューサーがいます。イベント会社でコンサートをプロデュースする人はイベンターと呼ばれます。いずれも楽器やアレンジ、音響技術に関する知識や良い音楽を見極める力、現場を仕切るリーダーシップが要求されます。もっと詳しく知りたいならこちら(→ 音楽プロデューサー)をご覧ください。
―マネジメントオフィスの音楽プロデューサー
ミュージシャンのマネジメントを手がけるレコード会社や芸能プロダクションなどのマネジメントオフィスに所属し、新人の発掘や育成、プロモーションを手がける仕事です。ミュージシャンのエージェント(代理人)として映画会社や広告代理店、テレビ局、ラジオ局をまわってミュージシャンを紹介し、ミュージシャンの出演や音楽使用に関する契約を結びます。独立系の小規模のオフィスではミュージシャンをトータルにプロデュースするいっぽう、大規模な組織では新人発掘担当、プロモーターなどの分業化が進んでいます。(→マネジメントオフィス勤務)
―レコーディングプロデューサー
1枚のCDレコードを製作するためにレコーディングの企画からミュージシャンとの交渉、録音の手配、スケジュールや制作費の管理、CDジャケットの制作手配、宣伝にいたるまで指揮監督する仕事です。レコード会社に所属するのが一般的ですが、フリーランスの方もいます。
【参考書】
『図解入門業界研究
最新音楽業界の動向とカラクリがよーくわかる本 』
大川 正義 (著) 秀和システム (2006/09)
レコード会社勤務
レコード会社ではレコーディングプロデューサーやレコーディングエンジニアなどの制作スタッフだけでなく、ミュージシャンのマネジメント(→マネジメントオフィス勤務)に関わるスタッフや宣伝スタッフ、営業系・プロモーション(販売促進)のスタッフ、一般企業と同じく総務系の仕事や経理、広報のスタッフなどが働いています。
―A&R
Artist and Repertoireの略で、新人アーチストの発掘や契約、アーチストのイメージコンセプトの立案及び育成計画の立案・実施,プロモーションなどをおこなう部署です。
(→音楽プロデューサー)
―宣伝スタッフ
ミュージシャンの方向性やイメージ、ファン層に最も適した宣伝・広告戦略を立案して広告メディアを選択し、広告代理店のクリエイティブ・スタッフにミュージシャンのイメージを的確に伝えます。(→広告・広報の仕事)
―プロモーター
大手のレコード店にリリース情報を流したりポスターを貼ってもらうなどの販促活動や注文の受付などの営業活動をおこないます。そのほかテレビやラジオなど各種メディアにミュージシャンを紹介するプロモーターもいます。プロモーターと宣伝スタッフを兼任するケースもあります。
もっと詳しく知りたいならこちら(→ プロモーター)をご覧ください。
【参考書】
『音楽ビジネス
仕組みのすべて―Music Business Bible 』 湯浅
政義 (著) オリコンエンタテインメント (2004/10)
音楽出版社勤務(パブリッシャー)
音楽専門誌や楽譜を出版する会社ではなく、一般に音楽の権利ビジネスをおこなう会社です。たとえばある楽曲がカラオケ店で歌われた場合、日本音楽著作権協会(JASRAC)が著作権料を徴収しますが、JASRACはそこから管理手数料を差し引いてその楽曲の権利を管理する音楽出版社に支払います。音楽出版社はそこからプロモーション&管理手数料を差し引いて作曲家や作曲家に著作権印税を支払います。現在のところ、ミュージシャンの所属するマネジメントオフィス(→マネジメントオフィス勤務)の系列会社や放送局系の会社が音楽出版社の仕事をしています。権利獲得のために新人の発掘やテレビ番組の制作をおこなう場合もあります。
(→版権エージェント)
【参考書】
『音楽の仕事がしたい
(2006) 』 音楽之友社
(2005/03)
『よくわかる音楽著作権ビジネス―基礎編
3rd Edition 』 安藤
和宏 (著) リットーミュージック; 第3版版 (2005/09)
イベンター
コンサートやライブなどのミュージックイベントを企画し、予算策定からミュージシャンの選定・出演交渉、スポンサーとの交渉、スタッフの管理ほかイベント運営に関わる諸手続きをおこなう仕事です(個人の職種ではなくイベントを主催する団体をイベンターと呼ぶ場合が多い)。(→イベントが好き)
音響技術者
−レコーディングエンジニア
現代のレコーディング技術では、リズムセクション、管楽器の音、弦楽器の音、という風に音を重ねていき、最後にボーカルを入れて各音を調整したうえでマスターテープをつくる方法を採用しています。レコーディングエンジニアはレコーディングスタジオでミュージシャンとともに録音段階から参加し、ミキシングコンソールのつまみを調整するなどしてミキシングや音響調整をおこないます。レコード会社や録音スタジオに就職するのが一般的です。なお、映画やテレビの録音技師についてはこちらをご覧ください。
もっと詳しく知りたいならこちら(→ レコーディングエンジニア)をご覧ください。
−PAエンジニア・PAミキサー
コンサートホールなどで、ミュージシャンの演奏する音が聴衆にきれいに聴こえるように、音響機器をセッティング・調整する仕事です。PAはパブリック・アドレスの意味。音響工学や電気の知識が必要です。最初はステージマン(マイク・アンプ・スピーカーなど音響機材の搬入・搬出やセッティング、ワイヤリング)として下積みを経験し、モニターミキサーを経てハウスミキサー(ホールの音響のトータルデザインをおこなう)へと出世します。音響の専門学校を卒業して、音響関係の会社に就職するのが一般的です。もっと詳しく知りたいならこちら(→ 音響エンジニア)をご覧ください。
【参考書】
テレビの音響効果 ラジオの音声ミキサー
クラブDJ
レゲエハウスやDJクラブ、あるいはレイヴ・パーティーなどで、複数台のターンテーブルとミキサーを使い、持参したレコードを流してミキシングやエフェクトの技を披露し、集まった客が楽しく踊れるよう演出をする仕事です。友人らとともにパーティーを企画・運営することも多いです。(→パーティー・オーガナイザー)
【参考書】
上記の本は、ターンテーブルやDJミキサーなどの必要機材やレコードの探し方、イコライジングやつなぎのテクニックといったクラブDJを目指す人に欠かせない基本的な情報を、分かりやすく紹介しています。
音楽療法士
診療所や精神保健福祉センター、心身障害者福祉センター、リハビリテーションセンターなどで、楽器の演奏や歌唱、音楽鑑賞、ダンスを通じて心身のケアをおこなう仕事です。詳しくはこちら(→
音楽療法士)をご覧ください。
【参考書】
『ようこそ音楽療法の世界へ―若き音楽療法士たちに捧ぐ 』 岡本
仁司(著) エンパワメント研究所; 新版版 (2000/11)
楽器店(楽器商)
ギターやピアノ、オルガン、エレクトーン、サックス、ドラムスなど各種の楽器を販売する仕事です。楽器だけでなく楽譜や練習本、DTM商品、DJミキサーなども販売します。楽器の修理窓口を担当したり、練習スタジオを併設したり、演奏教室を開催したりして固定客の拡大をはかることが大切です。
CD・レコードショップ経営/店員
音楽CDやアナログ盤、ミュージックテープ、 音楽雑誌や音楽関係の書籍、アーチストグッズを販売する仕事です。DVD・ビデオやDJ向け商品の販売、中古品の売買を手がける場合もあります。ネットショップにおされ気味ですが、気軽に顧客の相談にのったり、「ヴィレッジ・ヴァンガード」のように関係する商品を一覧して見られる楽しい環境づくりに努めたりすれば、まだまだ集客をはかれます。
オーディオショップ経営
アンプやスピーカー、チューナー、CDデッキのほか、ターンテーブルやケーブル類、システムコンポ、ポータブルプレーヤー、カーオーディオなど音楽鑑賞に必要な商品を販売する仕事です。低額商品の販売は大手量販店やネットショップに押され気味ですが、高額なオーディオ機器は顧客にとっても専門家の意見を聞いてじっくり商品を選びたいもので、優れたショップは生き残っています。顧客のさまざまな相談にのって固定客を拡大する努力が欠かせません。
楽器メーカー・オーディオメーカー勤務
楽器メーカー、オーディオメーカーには、楽器・オーディオ製品の開発や製造、品質保証のほか、生産管理や営業、総務、広報、経理などさまざまな仕事があります。
ライブハウス経営
演奏される音楽や催事によっても異なりますが、騒音トラブルのない環境を選んだ上でさらに防音施工・吸音施工などの費用が発生します。ほかにもスピーカーやアンプ、マイクその他の音響設備の費用や告知・広告の費用等がかかります。
ほとんどの場合、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の対象になりますので、都道府県公安委員会(警察署)を通じての許可申請や建築基準法による風俗営業の立地規制などの煩雑な行政手続きが必要になります。また、飲食物を提供する場合、飲食店営業許可申請(所轄の保健所に提出。店舗の構造や給排水設備など細かいチェックがあります)や食品衛生責任者の設置が義務付けられており、深夜(午前0時以降)に酒類を販売する場合は、「深夜酒類提供飲食店営業」を警察(公安委員会)に届け出なくてはなりません。
ですので開業の検討の際には専門のコンサルタントや行政書士と相談することをお勧めします。できれば実際にライブハウスで働いてみて経営ノウハウを蓄積すべきでしょう。近年は路上ライブが主流となっており、ライブハウスの経営はどこも苦しいようです。
ライブハウスのスタッフ
チケットの販売や客の案内、飲食物の提供、清掃、音響機材の管理などをおこないます。
音楽評論家(→評論家) 音楽ライター(→ライター)
音楽スタジオ経営
音楽スタジオには録音機材の揃ったレコーディングスタジオや練習用のスハーサルスタジオ、両方兼用のスタジオといった種類があります。周囲の環境を選ぶ必要があり、防音施工・吸音施工などの建物の改造や機材費用に多額の資金がかかります。レコーディングスタジオの場合は騒音のない環境を選ぶ必要がありますが、アマチュアバンドの練習用ならむしろ高架下やビルの地下などの物件が良いでしょう。会員カードやスタジオパンフレットなどの制作や会員募集のための告知・広告などの準備もあり、資金繰りや改造施工の業者選定も含めて専門のコンサルタントに相談することをお勧めします。
スタジオスタッフ
予約の受付や受付案内、機材チェック、スタジオの清掃、チラシ配りなどを行います。正社員は少なくアルバイトがほとんどです。
他にも自衛隊の音楽隊、消防音楽隊、警察音楽隊(→警察官になりたい)、音楽出版社勤務、カラオケバーの経営、カラオケ機器の営業・メンテナンス、中学・高校の音楽教諭、ボーカル教室講師、楽器修理スタッフ、リトミック指導員、ラジオDJなどがあります。
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