流通・小売業は大きくいって百貨店、専門店、総合スーパー、コンビニエンスストア、ディスカウントストア(量販店)に分かれます。ほかにも通信販売やEコマース、郊外型のホームセンターといった新しい形態の流通業が参入して売上げを伸ばしています。
流通業はものを製造せず、生産者からものを買って消費者や販売代理店に売る仕事ですので、販売力が鍵になるのはもいろんのこと、販売の基盤となる顧客との関係維持拡大や輸送・在庫コストの軽減、商品発掘力、仕入れ条件の強化が重要になります。
流通業に興味のある方は、学生時代からアルバイトで販売経験を積むのが一番です。アルバイトを通じて好きな商品分野や従業員の仕事内容、将来性などがある程度まで把握できます。
大学生なら大学のキャリアセンターに相談したり目指す企業のホームページをチェックしたりして、インターンシップ制度を利用するのもひとつの手です。
流通業には主に以下のような仕事があります。
売り場責任者・店長・フロア責任者
大きな小売業でも小さな売り場の集合体になっている例がほとんどです。売り場責任者は売上げ・利益目標の達成を目的として、売上金や経費の管理、商品在庫の管理や設備の管理、人の管理などをおこないます。
大卒で大手小売業に就職した場合、販売・接客研修を経て売り場責任者となり、実績を積んでフロアマネージャー、エリアマネージャーへと昇進するのが一般的です。
個々の商品カテゴリー別に専門知識が求められます。たとえば日本酒売り場では利き酒師やワインアドバイザー、宝飾品売り場ではジュエリーコーディネーター、日曜大工道具の売り場ではDIYアドバイザー、玩具コーナーではおもちゃコンサルタントの資格があると有利です。
ただし、特定の商品分野が好きな人はそういった資格を取得するのも良いですが、目的はあくまでも売上げ・利益目標を達成することです。専門店でなければ、商品知識に集中特化することなく、ビジネスパースンとして幅広いスキルや能力を磨くべきでしょう。
百貨店外商部
売り場での販売とは別に得意客の自宅や事務所を訪問し、特別な商品を提案販売する仕事です。法人外商と個人外商とに分かれ、法人外商の場合は価格交渉やカスタマイズ、サービスをめぐっての交渉力が求められます。
個人向け外商は顧客が富裕層であることが多いため、高級ブランド商品や高級家具、宝飾品、美術品が対象となります。富裕層が好む話題に精通し、話し上手であることが求められます。
バイヤー/仕入れ担当
店頭に並べる商品を仕入れる仕事です。買い付けの際には粘り強い交渉力が必要です。商品の質を見極める目利き能力や販売予測の能力も要求されます。経済のグローバル化に伴い、海外の生産者から直接購入する機会も増えてきましたので、語学力も要求されます。(→国際バイヤー)
商品企画/商品開発
店頭に並べる個々の商品や商品ブランドを企画・立案して提携業者とともに開発し、導入するまでを担当します。ニーズ分析・市場調査から販売計画、価格設定、原材料費・労務費の算出、パッケージデザイン、宣伝、利益計画まで商品にかかわる深い知識と企画力、プロデュース力が求められます。会社によっては仕入れ担当がこの仕事をおこなうケースがあります。アパレル業界ではマーチャンダイザー(MD)がこの仕事を担当します。
販促担当→販売促進
物流管理
商品の流れは仕入先から物流拠点にいったん入庫され、輸送部門(運輸業者)によって各小売店の在庫スペースに補充される仕組みになっています。物流管理部門は、在庫管理データや売上げ数量データ、小売店の在庫スペースなどの情報から、効率的かつ速やかに商品を補充する物流システムを整備・改善する仕事です。物流に関わる諸作業を工程としてとらえ、システム的に無駄を排除して効率化をはかる能力が求められます。また、ITが決め手になりますのでコンピュータ・ネットワークの知識があると有利です。
【関連資格】
―フォークリフト運転技能士 詳しくはこちら(→ フォークリフト運転技能講習)をご覧ください。
店舗開発
現在ある自社店舗の分布や競合店の動向、自治体の都市計画などを踏まえて新規店舗の立地計画を立案し、大店立地法(=大規模小売店舗立地法)など関係法令を遵守しながら開店までの準備を推進する仕事です。不動産の売買や登記に関わる専門知識が求められます。
家電量販店スタッフ
パソコン・携帯電話に代表される情報家電や白モノ家電、冷暖房装置、AV製品など、家電製品は耐久消費財として家計に占める割合が高いため、家電の専門量販店は全国各地にあります。
家電量販店では店頭でお客様に商品説明をする店頭スタッフのほか、仕入れ担当や店舗開発などの上記スタッフのほか、修理窓口やコールセンター
で働くスタッフなどさまざまな職種があります。
家電製品は商品の種類が豊富なばかりか、それぞれの機能も複雑であり、専門知識を要するため、 家電製品アドバイザーや家電製品エンジニアといった資格があると有利です。
それぞれ「AV情報家電」と「生活家電」の2種類があります。
『家電製品アドバイザー資格
商品知識と取扱い 』 家電製品協会
(編集) 日本放送出版協会 (2006/12)
『家電製品エンジニア資格
AV情報家電の基礎技術 』 家電製品協会
(編集) 日本放送出版協会 (2001/04)
玩具専門店スタッフ
子どもの数は年々減少の一途をたどっていますが、子どもの玩具に使われる金額はむしろ伸びています。また、食玩ブーム、フィギュアブームに見られるように、玩具は子どもだけのものではなく、大人も楽しむものになっています。
玩具専門店スタッフは店頭スタッフや仕入れスタッフなどさまざまな職種がありますが、いずれにせよ玩具の商品知識や子どもの安全性に精通する必要があります。おもちゃコンサルタントの資格があると有利でしょう。(→ベビーショップ)
『赤ちゃんと楽しむ手作りおもちゃ 』 おもちゃコンサルタント乳幼児玩具班
(編集) 池田書店 (2001/06)
流通業には、ほかにも総務、人事、経理といった管理的な仕事や広報・宣伝などの仕事があります。
以下のページも参考にしてください。
ファッション販売の仕事・営業の仕事・外食レストランの仕事・自分の店を開きたい・コールセンター
・商社勤務
『流通・フード・サービス〈2008年度版〉 』 大枝
一郎(著) 産学社 (2006/11)
業界の仕組みや主要企業のプロフィール、仕事内容、待遇・勤務条件、求められる人材像など就職活動に必要な情報が満載。
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