消防官(消防士)の仕事は火災や地震、水害などの災害時にいち早く現場に駆けつけて消火や人命を救助することです。24時間交代制で待機し、119番通報があると消防車や救急車で現場に急行します。ほかにも危険物の規制や建築許可、火災原因の調査、防火思想の普及などといった予防行政的な仕事もおこないます。
ページ内リンク:消防官になるには 消防官の仕事 消防団の仕事 総務省消防庁
■概要
市町村の消防組織は消防本部・消防署・消防団から成り立っています。
消防本部は消防事務を処理する市町村の機関で、政令指定都市などでは消防局と呼ばれています。東京では例外的に東京消防庁と呼ばれており、総務省消防庁と勘違いされることがたびたびあります。
消防官の組織や活動内容は、消防組織法や消防法などの法律に則っています。身分としては地方公務員で、東京23区を除いては各市町村長に管理される市町村職員となります。
なお、消防官の階級昇進コースは次の通りです。
消防士→消防副士長→消防士長→消防指令補→消防指令→消防指令長→消防監→消防正監→消防司監→消防総監
消防署に勤める消防官の勤務形態には2部制勤務と3部制勤務、毎日勤務があります。
2部制勤務は1日ごとに当番の日―非番の日―当番の日―非番の日と繰り返します。
3部制勤務は当番の日―非番の日―日勤―当番の日―非番の日―日勤と繰り返します。当番日は24時間勤務(但し仮眠や休憩があるので実働15時間30分)で、非番はまる1日休み、日勤は朝出勤して夕方までデスクワークや訓練をおこないます。
毎日勤務は月曜から金曜まで朝出勤して夕方まで働きます。
■消防官になるには
消防官になるには全国でおよそ900ほどある各市町村の消防本部(局)で実施する消防官採用試験に合格する必要があります。
主な消防官試験は毎年6月の同日に一斉に実施されますが、ほかの日に実施する自治体もあります。試験日だけでなく問題や難易度も市町村によって異なります。受験要綱については毎年3〜4月頃には決まっているため、各自治体の消防本部にお問い合わせください。
試験区分は自治体によって異なります。たとえば東京消防庁を例にあげると、大卒専門系、大学卒レベルのT類、短大卒レベルのU類、高校卒レベルのV類があります。市町村によっては上級、中級、初級に分かれているところもありますし、試験区分が全く分かれていないところもあります。また、大卒の方が高校卒業レベルの試験区分を選択してはいけない自治体もあれば、試験区分が学歴要件を意味していない自治体もあります。受験する自治体の受験要綱をご確認ください。
なお、ほとんど全ての自治体では採用にあたっておおむね以下のような身体・体力条件を設けています。(カッコ内は女性の場合)
■身長:160cm(155cm)以上 ■体重:50kg(45kg)以上
■胸囲:男女とも身長の約2分の1以上 ■肺活量:3000cc(2500cc)以上
ほかにも視力・聴力・握力、1km走、上体起こし、反復横とびなどの身体・体力検査があります。
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【参考書】
『消防官の仕事と資格
改訂版―身近なファイヤーたちの「仕事・学び・生活」徹底研究 』 三修社
(2007/04)
『高卒消防官採用試験実戦テスト
(2008年度版) 』 一ツ橋書店
(2007/02)
『大卒消防官採用試験実戦テスト
2008年度版 (2008) 』 一ツ橋書店
(2007/02)
『東京消防庁パーフェクトブック 』 イカロス出版
(2007/01)
『消防官になる!―消防官、救急救命士になりたい人のためのオールガイド 』 イカロス出版;
改訂版版 (2006/08)
『絶対決める!消防官(高卒程度)採用試験総合問題集〈2008年度版〉
』 新星出版社 (2006/12)
『21世紀の命を守る仕事
消防官・レスキュー隊員編[ビデオ] 』 ゆまに書房
(2006/04)
■消防官の仕事
消防署は役割によっていくつかの部隊から成り立っています。地域によって構成は異なりますが、おもに次のような部隊があります。
ポンプ隊
消防車で主に消火活動を担当する部隊です。ポンプ車のほかにもはしご車や化学車などの車両があります。
特別救助隊
災害時の人命救助を専門とした部隊です。特別の研修を修了した隊員で構成されています。
水難救助隊
川や海で起こる水上火災や水難事故に駆けつけます。消防艇で消火活動をするほか、水難救助車や救助艇で人名救助をおこないます。
山岳救助隊
山岳地域の災害時や山岳遭難事故の際に救助活動をします。
化学機動隊
化学工場の事故など、有毒ガスの流出の恐れがある化学災害の際に活躍する部隊です。
航空隊
消防ヘリや救助ヘリなどを使って上空から消火や人名救助・情報収集をおこないます。
ヘリコプターのパイロットは、消防官の中から適性試験にパスした人が操縦士候補生として航空隊に配属され、操縦士教育を経て事業用操縦士の免許を取得します。
消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)
毒物・劇物による事故や放射能災害、大規模災害、生物兵器によるテロなどに対処する専門家チームで、東京消防庁だけにあります。
消防音楽隊
市民が消防活動に理解と関心を深め、防火意識を高めるよう、管弦楽の演奏を通じて消防署の広報にあたる部隊です。
音楽活動だけを専門的におこなう専務隊と普段は消防の通常業務につく兼務隊に分かれ、専務隊をもつ自治体は東京都のほか横浜市、名古屋市、京都市、神戸市のみです。東京都消防庁などでは音楽大学を卒業した消防官が多数を占めています。兼務隊は全国におよそ160隊あります。地域によってはなり手が少なく予算も削られる傾向で、廃止の動きもあります。大阪市ではかつて専務隊を置いていましたが、2007年3月付で廃止しました。
消防官には次のような特別な職種があります。
―救急救命士
救急患者に対して救急車で病院に到着する前に医師の指示のもとで除細動(心拍回復)や気道確保、薬剤投与などの緊急処置をおこなう仕事です。
救急救命士になるには主に次の2通りの方法があります。
(1)消防官になって救急隊員としての経験を一定期間積んだ後に指定養成機関で必要な知識・技能を取得して救急救命士国家試験に合格する。
(2)文科省または厚生労働省が指定した救急救命士の養成機関(大学4年・専門学校2年)で教育を受け、救急救命士国家試験に合格した後に各市町村の消防官採用試験を経て消防官になる。
詳しくは こちらをご覧ください。
【参考書】
『ドクターカー緊急出動―救急医療の最前線で活躍する医師と救急救命士 』 箕輪良行(著)
小学館 (2003/02)
―機関員
消防ポンプ車やはしご車などといった消防用の特別な車を運転します。緊急を要する仕事であるため道路事情や消防水利についてじゅうぶん熟知し、車両や装備の保守・点検に精通しなくてはなりません。
機関員になるには、消防官としての経験を積んだ後に選抜試験に合格し、消防学校で特別な研修を受ける必要があります。
【参考書】
『ポンプ車運用技術 』 東京法令出版
(2005/03)
『はしご車運用技術
全訂 』 東京法令出版
(2002/10)
消防団員
ふだんは別の仕事を持ち、いざとなったときだけ仕事を中断して現場に駆けつけ、消火や救助活動をおこなう人をいいます。
多くの市町村では数万円の年額報酬と、災害活動や訓練に参加した際の出動手当(1回数千円程度)を支給しています。
消防団員の採用情報については各市町村の消防本部(消防局)や消防署・役所の防災担当部署にお問い合わせください。
総務省消防庁職員
全国的な消防・防災政策の企画立案、基準の策定、調整のほか、消防関係の研究や、自治体消防幹部の教育などをおこないます。各地方自治体の消防に対しては直接的な指揮権はありません。
内部部局として総務課や消防救急課、予防課、国民保護・防災部があり、消防大学校や消防研究センターを管轄しています。
自治体消防への指揮権がないため、警察庁における管区警察局のような地方機関はありません。 したがって職員数は百数十名にとどまります。
最近の採用数はごくわずかですが国家公務員試験の<I種技術系>合格者から募集しています。詳しくはこちら(→総務省消防庁)の採用情報をご覧ください。
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