裁判所職員
裁判所の組織は以下の5つに大別されます。
(1)最高裁判所[最高裁]:
東京に1か所だけあり、おもに上告された事件を審理・裁判します。
(2)高等裁判所[高裁]:
札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡の8か所(支部が6か所)にあり、おもに控訴された事件を審理・裁判します。
(3)地方裁判所[地裁]:
各都府県庁所在地に1つずつ、北海道は札幌・函館・旭川・釧路の4か所の合計50か所にあり、支部は全国合計で203か所あります。原則として最初の裁判(第一審)は地裁でおこなわれます。
(4)家庭裁判所[家裁]:
基本的に地裁及びその支部と同じ所在地にあります(つまり家裁50か所、支部203か所)。離婚や親権問題、養子縁組など家庭に関わる事件の審判(家事審判)や調停(家事調停)、少年犯罪など少年保護事件の審判(少年審判)等を担当します。
(5)簡易裁判所[簡裁]:
全国に438か所あり、軽微な民事事件や刑事事件に対処します。裁判以外にも、調停委員を交えて調停による紛争解決をします。
―裁判官
裁判官とは、職階制上の官名でいうところの最高裁判所長官・最高裁判所判事・高等裁判所長官・判事・判事補・簡易裁判所判事の総称です。裁判官は、刑事裁判や民事裁判の法廷で関係者の主張を聴取し、法律に基づいて判決や審判、和解勧告を下します。
裁判官になるには、司法試験に合格して1年半にわたる司法修習を受けて法曹資格を取得した後、判事補として任命される必要があります。裁判の仕事についてもっと知りたい方は以下の本を読むと良いでしょう。
【参考書】
『裁判官の仕事―刑事事件はどう裁かれるか 』
岡村治信(著) 光人社 (2001/04)
『裁判官の仕事がわかる本 』 受験新報編集部(著) 法学書院;
改訂版版 (2003/06)
―裁判所書記官
裁判所書記官とは、裁判記録や調書等を作成・保管するほか、法令・判例の調査や裁判の進行管理、調書判決の作成、訴訟費用額の算定など裁判官の補佐業務をおこなう専門職員を言います。
裁判所書記官になるには、裁判所事務官として業務経験を積んだ後、選抜試験に合格して研修を受講する必要があります。
【参考書】
『裁判所事務官・裁判所書記官の仕事がわかる本
(公務員の仕事シリーズ) 』 法学書院
改訂第2版版 (2006/10)
―裁判所事務官
裁判所書記官のもと、裁判手続きや法廷事務など裁判に関わるさまざまな事務をおこなうほか、事務局に所属して総務系の仕事や経理事務をおこないます。なお、裁判所事務官/裁判所書記官として10年以上勤めて法務大臣の認可を受けると、司法書士の資格が得られます。
裁判所事務官になるには、裁判所事務官採用I種U種試験(大卒程度)、V種試験(高校卒業程度 に合格する必要があります。
I種試験は全国採用で、第1次試験(択一式の教養試験と専門試験)、第2次試験(論文式の教養・専門試験及び個別面接)、東京で行われる第3次試験(集団討論と個別面接)から成り立っており、受験申込み時に「特例」を希望すると、I種試験に不合格になった場合でも、II種試験の受験者として扱われます。
U種試験は高等裁判所の管轄区域で採用人数が決まっており、第1次試験(択一式の教養試験と専門試験)、第2次試験(論文式の教養・専門試験及び個別面接)から成り立っています。
V種試験は高等裁判所の管轄区域で採用人数が決まっており、第1次試験(択一式の教養試験と適性試験、作文試験)、第2次試験(個別面接試験)から成り立っています。
受験可能な年齢はI種U種試験では受験年4月1日現在21歳以上30歳未満、V種試験では同じく17歳以上21歳未満となっています。詳しくは裁判所ホームページの採用試験情報をご覧ください。
【参考書】
『公務員試験
裁判所事務官1種・2種採用試験問題集〈2007年度版〉 』 資格試験研究会(著)
実務教育出版 (2005/11)
『裁判所事務官1種・2種
問題と対策 』 法学書院編集部(著) 法学書院
改訂第4版版 (2005/11)
家庭裁判所調査官
家庭裁判所に所属し、裁判官の指示のもと、家事審判や家事調停、少年審判に必要な調査をおこないます。高等裁判所に所属して家事審判の抗告審の審理に必要な調査をおこなう家裁調査官もいます。
家庭裁判所調査官になるには、最初のステップとして家庭裁判所調査官補採用I種試験に合格する必要があります。第1次試験(択一式の教養、記述式の専門試験[心理学/社会学/福祉/教育等])と第2次試験(論文式の教養試験と論文式の専門試験[民法・刑法・心理学/社会学/福祉/教育]、個別面接)から成り立っています。受験可能な年齢は受験年4月1日現在21歳以上30歳未満です。
【参考書】
『家裁調査官の仕事がわかる本
(公務員の仕事シリーズ) 』 法学書院
改訂第2版版 (2006/10)
『春のはじまる朝―家裁調査官物語 』 藤川洋子(著)
東京書籍 (2007/08)
『家栽の人
(10) 』 毛利甚八(原作) 魚戸おさむ(画) 小学館
(2003/07)
『家庭裁判所とともに 』 野田愛子(著) 日本加除出版
(2004/09)
『なりたい!!家裁調査官・裁判所事務官・書記官 』 DAI‐X出版編集部(著) DAI‐X出版
(2005/04)
検察庁職員
検察庁は最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁、区検察庁の4種類に分かれています。
最高検察庁は最高裁に対応し、高等検察庁は全国に8か所(及び支部6か所)あって高等裁判所に対応しています。地方検察庁は全国計50か所(支部203か所)あり、地方裁判所と家庭裁判所に対応しています。区検察庁は全国に438か所にあり、簡易裁判所に対応しています。
検察庁の職員の数は平成17年時点でおよそ11500人(検察官2500人、検察事務官9000人)。このうち最高検察庁と高等検察庁で働く人数はおよそ1割で、残りの9割は地方検察庁や区検察庁で働いています。
―検察官
検察官とは、職階制上の官名でいうところの検事総長・次長検事・検事長・検事正・検事・副検事の総称です。警察から送致された刑事事件を取調べて起訴または不起訴の処分を決め、起訴の場合は裁判所に対して法律の適用を請求します。法廷では起訴状の朗読、冒頭陳述、請求証拠調べの実施、論告求刑をおこないます。ちなみに副検事は区検察庁の職務だけをおこなえます。
検事になるには次のような方法があります。
・司法試験に合格して1年半にわたる司法修習を受けて法曹資格を取得した後、検察官として任命される。
・検察事務官や警察官など特定の公務員を数年経験したうえで試験に合格して副検事となり、さらに3年以上の経験を積んで特別考試に合格する。
ほかにも裁判官や、特定の大学で法律学の教授あるいは助教授の職を3年以上経験した人には、検事になる資格があります。
検察官の仕事についてもっと知りたい方には以下の本をお勧めします。
『検察官の仕事がわかる本 』 受験新報編集部(著) 法学書院;
改訂版版 (2003/06)
『なる本弁護士・裁判官・検察官 』 井藤公量(著) 週刊住宅新聞社
(2006/03)
地検特捜部
検察官は基本的に直接的な捜査をおこないませんが、国政に関わる汚職事件や複雑な法律解釈がからむ経済犯罪(ライブドアや村上ファンドの例)などについては、地検特捜部が警察の関与無しに最初から検察庁だけで捜査します。東京・名古屋・大阪の地方検察庁にのみ設置されています。
『特捜検察の闇
(文春文庫) 』 魚住昭
(著) 文藝春秋 (2003/05)
『政官腐敗と東京地検特捜部 』 佐藤
道夫(著) 小学館 (2001/04)
―検察事務官
検察官の補佐や庁内の事務的な仕事を担当します。検察事務官の職場は以下の4つに分かれます。
(1)事務局部門: 職員の給与計算や文書の受け取り・発送、施設や設備の維持管理などの総務的な仕事や経理事務、広報事務(→検察広報官)をおこないます。
(2)捜査公判部門: 検察官の指示のもと、取調べ調書のタイプや捜査令状の請求、鑑定依頼などの補佐業務をおこなうほか、被疑者を直接取り調べる場合もあります。裁判の際に検察官を補佐する仕事もあります。主任捜査官→統括捜査官→首席捜査官へと昇進します。
(4) 検務部門: 検察庁の窓口として警察から送致された事件の受理手続きをおこなうほか、証拠品の受入れ手続・保管・処分、罰金・科料の徴収、犯歴調査、裁判記録の保管・管理などを担当します。検務専門官→統括検務官→検務監理官へと昇進します。
なお、3部門間で人事異動がおこなわれるほか、二級検察事務官として3年以上経験を積めば副検事になるための特別考試を受けられます。また、検察事務官として10年以上勤めて法務大臣の認可を受けると、司法書士の資格が得られます。
検察事務官になるには、まず国家公務員採用II種試験・III種試験(→国家公務員になりたい)に合格する必要があります。合格した後、希望する検察庁の実施する面接試験にパスすることで採用されます。採用予定などは各検察庁に問い合わせましょう。詳しくは検察庁ホームページの採用情報をご確認ください。
弁護士 法務省職員
海難審判庁職員
海難審判法に基づき、海難の原因及び責任の所在を明らかにする司法的な仕事です。東京に高等海難審判庁があり、函館、仙台、横浜、神戸、広島、門司、長崎の全国7か所に地方海難審判庁・理事所があります。職員の数は全体でおよそ230人(平成17年)。
海難審判庁の職員になるには、国家公務員U種・V種に合格し、面接試験で選ばれる必要があります。詳しくはこちら(→海難審判庁の職員採用案内)、及びこちら(→国家公務員採用試験情報)をご覧ください。
海事補佐人
海難審判で「弁護士」の役割を果たす海事・法律の専門家です。海難審判庁の検査への立会いや海難審判での弁論、第二審請求などがおこなえます。海事補佐人になるには、高等海難審判庁に登録する必要があります。登録資格者は弁護士の有資格者や1級海技士の免許がある人などです。詳しくは海難審判庁ホームページの「海事補佐人制度」をご覧ください。
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